
明けましておめでとうございます。
皆様、新年いかがお過ごしでしょうか?
私はお正月おいしいものを食べ過ぎてしまい、
体重が少し増えてしまいました...。
と、そんな話は置いておいて、
皆様、改めまして2022年もよろしくお願いいたします。
パルテンツァ札幌店がお送りするスーツの豆知識ブログでございます。
本日の豆知識はスーツの「ベント」(後ろのデザイン)についてお話ししていきます。
これを読めばスーツを購入する時の迷いがなくなります。
1.ベントとは
スーツにおいてベント(後ろのデザイン)は好みがわかれるディテールの一つです。
ベントというのは上衣後ろの割れている部分のことを指します。
既製品を取り扱うスーツ店はセンターベントが多い印象です。
(これはスーツを在庫として大量に仕入れないといけない為、工程数が少ないセンターベントを使用しているという説もあります。)
種類としては
さて、一体なにが違うのでしょうか。
2.センターベント

センターベントというデザインは上の写真のように真ん中に切れ込みが入っているデザインのことです。
この形は皆様よくご覧になると思います。
このようなデザインの始まりはどういったものなのか。
ベントの起源を知るにはスーツの起源を語らなければなりません。
スーツは16世紀の英国の農民服である「フロック」から生まれました。
もともとはベントなどの”機能的”なデザインはありませんでした。
宜しいですか?
「機能的」
これを覚えておいて下さい。
話を戻しますと、
センターベントというものは貴族が乗馬をするときに
乗馬しやすいようにデザインされたものです。
つまり、”機能的”に作られたということです。
おおっと、こんな早い伏線回収は面白くありませんか?
文章構造に関しましては日々研究中であります。
3.サイドベンツ

上の写真をご覧ください。
後ろの両端切れ目部分が浮いているのがわかると思います。
スーツの後ろの両端が切れているデザインを「サイドベンツ」と言います。
前項で書きました、農民服は貴族だけではなく
軍服としても着られるようになりました。
その時に、兵隊はサーベルを帯刀していましたが
ここでも帯刀し易いように”機能的”に洋服の両サイドを切りました。
ここでも機能的に取り入れられたデザインが後世に続くデザインとなったのです。
4.ノーベント

上の画像は、タキシードの後ろデザインでございます。
こちらはベントがありません。
なぜならば、「機能性が必要ないから」です。
タキシードについては別ブログをご覧ください。↓
タキシードはもともと燕尾服というお話
タキシードという装いは夜間の正礼服でございます。
つまり、夜間(ディナー、パーティーなど)に帯刀する人も馬に乗る人もいなかったということです。
このことから、ベントはつけられませんでした。
5.デザインの選び方
さて、本題である「ベントの選び方」です。
ベントの選び方は私としては2種類あると考えております。
- スーツのデザインから選ぶ方法
- ファッション性から選ぶ方法
この2つです。
これまで幾度となく”機能性”という言葉が出てきましたが
現代では帯刀する場面も乗馬する場面もありません。
ベントの選択は上記の2パターンになると思います。
スーツのデザインから選ぶ方法は
着丈が長いか、短いかです。
上衣の着丈の基準は首衿からかかとの先の長さの半分です。
首衿からかかとの先までの長さが150㎝とするとスーツの上衣の丈は75cmとなるのです。これが基準となります。
この基準を考え、流行を読み短くするのかを考えていきます。
とどのつまり、上衣の丈を短くするのであれば”センターベント”の方がスタイリッシュに見え、格好良くなります。
サイドベンツは重厚感、優雅さが出て、雰囲気もどこか落ち着いたものになりますので上衣が基準の長さのスーツに合います。
ファッション性で選ぶという方法は
その時代ごとの流行でベントの種類を選択するという方法です。
今はサイドベンツが流行っているからサイドを選ぶ
センターベントが流行っているからセンターを選ぶといったように
流行を知り、デザインを決める方法も一つです。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか。
ベントの選び方を書いていきました。
最後に全体のまとめですが
- ベントを選ぶ際はスーツのデザインから選ぶ
- 流行で選ぶ
- 最終的には好み
最終的にはご自身のお好みで選択するのが良しとされておりますが
その中でもそれぞれの特徴を知っておくと選びやすくなります。
ぜひ、今回のブログを参考にして世界で一つのスーツを仕立ててみるのはいかがでしょうか。
ご愛読ありがとうございました。
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